木村眼科クリニック

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院長のコラム


◆ロービジョン・サービスの現状◆  ―眼科医の無関心と保険非適応がネック―


眼科医学の進歩に伴い、多くの失明を救える時代になっている一方で糖尿病性網膜症、緑内障、老人性黄斑変性症などによる視覚障害者は急激な高齢化とともに増加の一途をたどっております。
これらの患者さんにたいして残された視機能の有効な使い方や、歩行訓練、社会復帰などをきめ細かに対応するための施策が急がれております。そこで今回はその現状と問題についてお話いたします。

立ち後れていた中途失明者、視覚障害者のQOL(生活の質)の向上と社会復帰への種々の施策の進歩発展を目的として昨年日本ロービジョン学会が発足しました。
従来眼科医療機関で治療の結果、視覚障害を残して病状が固定すると治療は終了したとしてその後の事は本人又は家族まかせとし、歩行訓練、視覚補助具の選択指導、中心外固視の訓練などのロービジョンサービスはほとんど行われず社会復帰の対策はきわめて貧困な状況下に置かれて来ました。
その大きな原因のひとつはこれらのサービスは日本の保険診療制度では医療の対象にならず、もっぱら医療機関の無料サービスにゆだねられてきた事です。
また多くの時間と労力と献身的な努力を必要とするロービジョンケアにたいする眼科医の無関心さも大きな原因の一つとなっておりました。
儲からなければ何もしないと言う姿勢は医師として厳しく問われねばなりません。最近は日本ロービジョン学会の発足を契機にロービジョンケアにたいする眼科医の関心も高まり、日常の診療においても、ロービジョン外来を設けている施設も急速に増加して来ており嬉しい限りですが、切捨て御免の小泉政権の構造改革路線の医療改革のなかではまっ先に無視される事が予想されますのでとても心配です。



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