木村眼科クリニック

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院長のコラム


◆疲れ目で発見された脳腫瘍◆  ―くわしい問診・適切な検査が大切―


疲れ目(眼精疲労)は誰にでも起きる症状ですが、その原因が初期の脳腫瘍であることはきわめて稀です。 そのために脳腫瘍を念頭においた検査を最初から施行することはありません。しかし、今回疲れ目を訴えて受診された中年男性の場合は、 ご本人が書いた眼症状に関する詳細なメモと、眼科一般検査(視力、眼圧、眼底、視野)から得られたごく軽度の異常情報からMRI検査を施行した結果、 初診より2週間で脳腫瘍が発見されましたのでご紹介したいと思います。
この患者さんは近視でメガネ使用しており、やや弱いので強くしましたが右眼は0.7以上でませんでした。 右眼に軽度の外斜視がありましたのでそのための視力不良と眼精疲労かなと思いました。しかし、患者さんのメモをもとに更に詳しく問診すると 『両眼とも文字の左端が見にくいので視線を左にずらして見る。2カ月前にネクタイをきつく絞めたらこの症状が起こった。』ということが分かりました。 眼底検査で網膜、視神経は正常なのに視線より左が見にくい場合には、脳内の異常から起きる左半盲が考えられます。そこで精密視野検査を行ないましたが、 明らかな半盲は検出されませんでした。しかし、ご本人の訴えからは左半盲のごく初期の症状と考えられましたのであえてMRI検査を依頼したところ、 大きな脳下垂体腫瘍が発見されました。詳しい問診とわずかな異常に対する適切な検査が早期の脳腫瘍発見につながりました。 勿論きつくネクタイを絞めたことと脳腫瘍は無関係です。



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