木村眼科クリニック

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院長のコラム


◆目は頭の中の病気の窓◆  ―後頭葉梗塞にともなう半盲の例―


老人性白内障手術を受け、よく見えるようになり経過順調であった方が、手術後2日目に突然頭痛、嘔吐とともに見にくくなり、緊急で当院を受診されました。診察検査の結果、両眼の右半盲が認められたことと他の神経学的検査結果より左後頭葉視中枢の出血または梗塞が疑われたために、MRI検査を依頼したところ梗塞が確認されました。そこで今回は本疾患の特徴についてお話いたします。
物を見るための中枢は頭の後部にある大脳の後頭葉視中枢です。右の視野半分は左後頭葉視中枢が、左の視野半分は右後頭葉視中枢が受け持っております。この患者さんの場合には両眼の右の半盲ですので左の後頭葉視中枢が障害を受けたことになります。しか半盲は大脳の別の場所での別な原因でも起こりますし、頭痛、嘔吐は目の高眼圧など脳内出血以外の原因でも起こりますので、これらとの鑑別が必要となります。突然頭痛、嘔吐、半盲が出現したこと、上下肢麻痺のないこと、瞳孔反応正常なこと、白内障手術後合併症の一つである高眼圧のないこと、高齢であることなどの理由により第一の原因として左後頭葉視中枢の出血または梗塞を疑いましたが、MRIにより広範囲の左後頭葉視中枢の梗塞が確認されました。
[目は心の窓]と言われておりますが、[目は頭の中の病気の窓]でもあると言えます。



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