木村眼科クリニック

 当クリニックについて

院長のコラム


◆EBMとは◆  ―にんにくは眼底出血に効くか―


EBMとは evidence based medecine の略で【科学的証拠に基づいた医療】のことで、検査、診断、治療、手術など全ての医療行為の基本となる大切な事です。 例えば緑内障治療薬のベーターブロッカーの眼圧下降作用は科学的証拠を有する事がわかっていますので緑内障患者に投与します。 私達医師は常にEBMに基づいた医療を求められており、その努力をしなければなりません。 最近、網膜静脈閉塞症の二人の患者さんから 次の様な質問を受けました。
Aさん;『先生に後遺症は治らないと言われましたが、何とかしたいと思い、いつも行く調剤薬局に勧められて、にんにくと朝鮮にんじんエキスを 1年間飲んでいるが効果は有るのでしょうか、年金生活なので月に数千円はつらいです』
Bさん;『この病気に(目薬の木)は効きますか、高いので大変ですが、周りの人があらゆる目の病気に効くと言うので飲んでいます』
網膜静脈閉塞症は眼底の静脈が閉塞して出血する疾患です。レーザー治療などをしても完全治癒する事は少なく、しばしば後遺症として視力低下や 物が歪んで見えたり、視野の欠損を生じるやっかいな病気です。この二人の患者さんは視力不良と、歪んで見える後遺症が持続するため、 藁をもつかむ思いで高額な対価を払って、民間療法の誘いにはまったと思われます。お二人には【科学的証拠に基づいた医療】を理解して頂き、 高額出費をやめる事になりましたが、巷に怪し気な治療法がはやるのは、患者さんへの説明不足にあることを反省するとともに、 EBMに基づいた治療では治せない眼疾患が余りにも多いことと無縁ではないと痛感した次第です。



コラムの目次へ  旧コラムのページへ