木村眼科クリニック

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院長のコラム


◆栗の毬による目の穿孔外傷◆  ―栗拾いにご用心を―


実りの秋たけなわです。栗を求めて散策される方も多いと思いますが、思わぬ眼外傷が待ち受けておりますので御注意下さい。
最初の患者さんは5才の女のお子さんです。お父さんに連れられて、栗拾いに近所の山に出かけました。 栗を落とすためにお父さんが木を揺すったところ、落ちて来た毬が見上げていた女の子の目に当たりました。 「痛いよぅ~、見えないよぅ~」と泣き叫ぶお子さんを連れてすぐに受診されました。毬の棘は角膜を穿孔し、水晶体にまで達し、 水晶体の嚢が破れ、白内障が始まっていました。急いで入院し、全身麻酔下に白内障手術と人工水晶体挿入手術を施行した結果、失明は免れました。
次の患者さんは88才の元気なおばあさんです。両眼人工水晶体挿入手術を受け、視力は1.5に回復し3ヶ月を過ぎた9月の朝、 爽やかな気分で栗の木の下で上を眺めていたところ、突然栗の毬が落ちて来て左目を直撃されてしましました。そして視力障害と疼痛で来院されました。 毬の1本の棘が角膜を穿孔し眼内液が漏れており、眼内炎症と角膜浮腫が認められましたが、人工水晶体は正常でした。 治療の結果、水漏れは1週間で止まり、感染も免れ、視力も回復しました。もし人工水晶体でなかったら、 毬の棘が水晶体を損傷し白内障になっていた可能性がある外傷でした。
栗の毬の棘は長くて鋭いものです。栗と一体となって落下してくるとその重さとともに目に刺さるので、瞬間的に目を穿孔し、 奥深く突き刺さることが知られています。栗の木の下では無防備に上を見上げない事が肝要です。特にお子様には注意しましょう。



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