木村眼科クリニック

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院長のコラム


◆再び混合診療について◆  ―避けられない保険医療の地盤沈下―


前回も述べましたが厚労省は『根拠の乏しい保険外診療を受けた患者が不当に高い負担を強いられる恐れがある』 ことと、 『医学の進歩に伴い確立した治療法や検査法はその都度保険適応としているので、自費診療をやらなくても十分な医療水準が 保たれている』 と言う立場で混合診療を厳しく禁止してきました。ところが小泉首相はこの方針を保険医療費削減を目的に 百八十度転換し、混合診療解禁を強硬に指示しました。その結果、混合診療反対の600万人の請願や、衆参両議員全員の 反対決議にも拘わらず実質混合診療が可能となり、その枠組みとして『保険導入検討医療』と『患者選択同意医療』の 導入が決定しました。首相は『全面解禁先送りか』 との記者団からの質問に対して『その見方は全くの節穴、無条件で解禁したら 混乱が生じる。全政党が反対した混合診療をやった。いかに画期的なことか』と述べました。この決定後に厚労省の要請を受けて、 日本眼科社会保険会議(全国眼科医で構成された眼科保険診療の意見をまとめる意思決定機関)では早速に患者に負担させる 『保険外診療』 の具体的事項の提出を全国の分野別専門家に求め厚労省に提出する準備を進めております。 ここで重要なことは『保険導入検討医療』 の項目が果たして保険適応医療にいつ入れてもらえるかです。 医学の進歩により生まれた根拠のある多くの薬剤、検査法、手術の保険適応をこれまで再三にわたり申請しても 認めてこなかった過去の実績からは『保険導入検討医療』 として申請した項目の大半はは半永久的に患者に払わせる 『保険外診療』 のままになり、結果的には米国並みに保険医療の地盤沈下と金持ち優先医療になることががおおいに懸念されます。



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