木村眼科クリニック

 当クリニックについて

院長のコラム


◆視覚障害者のQOL向上の活動◆


6月の本蘭で、視覚障害者のQOL(Quality Of Life)向上への取り組みが不十分であったことを反省し、ロービジョンケアに向けての準備を進めていることをお話ししました。今回は活動を開始して感じたこと、問題点などについて述べたいと思います。 今月当院にて日本盲導犬協会仙台訓練センター主催の「生活講習会」が開催されました。患者さん、職員、地域の当事者団体の方、障害者就業・生活支援センター職員、養護学校教員など各方面からの参加があり待合室は「一日教室」となりました。講習会で、初めに白杖(はくじょう)の紹介と歩行訓練が行われました。白杖にも多くの種類があることを初めて知りました。爽やかな秋空のもと広場で障害者とともに私も白杖で閉瞼して歩行訓練を体験しました。先端に丸い回転するキャスター付きの白杖での歩行がとても楽で安心できました。日常生活に必要なグッズ、点字、音声パソコンの紹介、国立塩原視力障害センターの職業訓練事業などの紹介、参加者との質疑応答などで充実した内容でした。障害者の方々から「日常生活用具を購入したが、支給の対象とならなかった」、「補装具を買いたいが、実物を見る機会がない」などの声が聞かれました。これは行政や眼科医療機関からのきめ細やかな支援に対する情報提供不足によると考え、今後改善に向けて努力したいと思います。また地方都市ならではの便の悪さを補うべく小売店との連携や今回のようなグッズ紹介講習会の定期的な開催の必要性を感じました。いわき市での講習会開催は初めてでしたが、当院での休日に待合室を開放しての地域イベントは眼科開業以来初めてのことであり、広報活動など戸惑うことも多くありましたが、多数の方の参加を得て有意義に終了しました。
参加された方々の日々の生活に困っている生の声を聞くことにより、多忙な外来診療の中では十分ではなかった情報提供や生活支援の必要性を痛感しました。これを契機に今後は視覚障害者への支援を地域で活動している団体や行政の担当者と共に、積極的に取り組んでいきたいと思っております。
最後に、手術後視機能障害あり、東京で治療を受けている二歳のお子さんのお母さんから寄せられたコメントを紹介します。
「講習会に参加させていただき大変ためになるお話、実技等、良い経験をさせていただきました。これまで、いわき市内で子供の目について相談できるところがなかったので、とても心強く思っています。どのくらい視力が出るか、期待も不安もありますが、少しでも子供にとって良いことを吸収していきたいと思っています。」



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