木村眼科クリニック

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院長のコラム


◆白杖(はくじょう)◆   ―患者さんの言葉から―


視覚障害者にとって白杖は安全に歩行するための大切な生活用具の一つです。 先日当院に通院中の患者さんが『歩行中に肩が触れた通行人から「気をつけろ、ばか野郎」 と怒鳴られてしまった』と話されました。私は『それはひどいですね、いやな思いをしないように 目の悪いことを歩行者に知らせるために白杖の携帯を勧めます』と話したところ『まだ白杖なしで歩けるし、 障害あることはなるべく知られたくないですから』とのことでした。この言葉からは、患者さんを含め 「世間一般の障害者観」が未熟であることがうかがわれます。その主な原因は、長年にわたり学校教育や 収容施設で行われてきた障害者を健常者から切り離す隔離政策にあり、それが差別や偏見をもたらしてきたことを 反省しなけらばならないと思います。9月に当院にて開催された日本盲導犬協会仙台訓練センター主催の 「生活講習会」で白杖の紹介と歩行訓練が行われました。爽やかな秋空のもと広場で障害者とともに 私も白杖で目をつぶったまま歩行訓練を体験しました。視覚障害者の安全確保には欠かせない白杖をいわき市内でも 堂々と持って歩くことができる社会づくりに努力したいと実感した歩行体験でした。(朝日サリー掲載)



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