木村眼科クリニック

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院長のコラム


◆子供の甲状腺がん増加について~求められる生活と心の支援策~◆


これまでに福島県は放射線量の高い地区順に26市町村約17万5千人の子供の甲状腺検診を実施しました。いわき市は今年度実施中です。6月5日に公表された検査結果「がんとその疑いが44名」という数値には大変驚き心配しております。しかも精密検査対象者1167名の66%768名のみの結果ですので、残りの対象者を加え同じ発症率と仮定すると65名と推計されます。県は「チェルノブイリでは事故当時0~3歳児が4~5年以降にがんになっている、今回の例は9~18歳の発症である、高精度の機器を使用し正確に検査した結果、放射線以外で発症する例が発見されたので事故との関連性はない、」と説明しておりますが、私は放射線被曝との関連性も否定はできないと考えています。
甲状腺医学の権威山下俊一教授が日本臨床内科学会の特別講演の論文で「日本では思春期を超えた子供の甲状腺がんは稀に見るくらいです。その頻度は年間百万に1人と言われています、、、」と述べています。また国立がん研究センターの統計からも15~19歳での発症頻度は百万人に3名となっています。
今回の検診結果では少なく見積もっても百万人に248名以上の発症率であり、要精密検査対象者全員を含めての推計値では248名の発症率となり、臨床データとの乖離が非常に大きいのが気になるところです。
一方、放射能の影響がないとされる青森県など三県で実施された検診結果で、嚢胞などの発見率は福島県と同等であることが判明しましたが、要精密検査対象のB判定者が1%いたにも拘らず、精密検査が施行されていない理由を担当責任者に質問したところ「一次検査対象数が5000名弱と少ないためがんの発症を比較することはできないし、他県の10万人以上の子供に検診を受けさせることは無理がある、」とのことでした。
甲状腺がんは早期発見し適切な治療、生活指導を行えば生命予後は良いとされていますので、国および県は、県内の子供たちと家族に甲状腺がんについての正しい情報を提供し、生活と心をしっかり支えていくための施策を早急に実施して頂きたいと思います。ベラルーシ大使は森雅子少子化担当大臣に、日本政府の支援があれば、本県の子供千人規模の保養施設への受け入れを提案しております。私たち「市民測定室たらちね」も沖縄球美の里での保養活動の支援にこれからも汗を流します。



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